ふと、思い出したので書く。
高校卒業まで住んでいた家の近くに家族経営の古めかしい自宅兼店舗の商店(酒屋だったと思う)があった。たしかS商店という名前だと記憶している。
タバコも売っていて、よくお使いに行っていた。
あるとき建てかえをした。建てかえている間は100mほど離れた場所に一時的に店を移していた。
しばらくして完成し、建物はとても立派だった。
そしてお店も酒屋ではなく、いわゆるコンビニの様になった。小規模コンビニチェーンだったのか、完全に個人商店だったのかわからないけど、大手コンビニのフランチャイズではなかった。
24時間オープンではなく、7時~23時位の営業時間で日曜日はお休みだった気がする。盆正月もお休み。
常に店内に人が居るわけでは無く、人が入って来たらチャイムがなって出てくるという個人商店っぽさ。恐らくバイトは雇わず、前通りの家族運営だったんだろうと思う。
お爺さんとお婆さんと息子(娘)夫婦の4人で回していた様に記憶している。なんとなくお婆さんはいなかった気もする。
レジの近くに数席のカウンターがあり、蕎麦とかうどんとか食べられた。
蕎麦をゆでるのはもっぱらお爺さんがやっていた。あぁいう所の蕎麦が好きなのでたまに食べた。
タバコのお使いと、たまにマンガ雑誌を買う、たまーに蕎麦を食べる。
そんな利用だけ。マンガ雑誌を買える店が近くにできたのはよかった。
日用品や食料品はスーパーマーケットを利用するのが普通だし、100m先にはセイコーマート(非24時間)、さらにその200m先くらいにはセブンイレブンがあったので地域の人達もあまり利用しなかったのではないかと思う。
買い物に行っても他の客に会った記憶はほとんど無い。
ある年の夏だった。
お店はいつもの様にお盆休みに入った。
休みが明ける予定の日に雑誌を買いに行った。店は閉まってた。
あれ?と思いつつ、翌日行くもまだしまっている。
高校の夏休みが明けても、まだ閉まったまま。
このときなんとなく「あぁ夜逃げしたんだな」と頭に浮かんだ。
閉店するという話は聞いていないし、窓には盆休みの予定が貼られたままだったから
どのくらい経った頃か忘れたが、建物の工事がはじまり、改築/増築が終わったら なかなか物々しい建物に姿を変えた。
あのときまだ小さかった子供たちも二十代半ばから後半くらいにはなっていると思う。
あの商店の家族はその後どうなったんだろうな....と、気になることがある。